(サンプル記事)下痢が続くときに受診した方がよい症状の目安は?セルフケアと対処法も紹介

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下痢が続いているときは、大切な打ち合わせや外出時に急にお腹が痛くなったらどうしようと不安な気持ちになりますよね。

激しい下痢を繰り返すケースから、なんとなく便がゆるい状態が続いて日常生活にあまり困らないケースまで、人によって症状はさまざまです。

ただの下痢だと思って放置していると、実は重大な病気が隠れているかもしれません。緊急性の高い症状と様子を見てよい症状を知っておくことで、受診のタイミングを迷わず決められるようになるでしょう。

この記事を読むと、下痢が続いたときの医療機関受診の目安や、セルフケアの方法がわかります。下痢が続く状態を少しでも楽にして、日常生活を不安なく快適に過ごしましょう。あわせて、外出先で下痢になったときの対処法も参考にしてみてください。

下痢が続くときに注意したい早めに受診すべき症状

下痢が数日続いても、必ずしも深刻な病気とは限りません。しかし、中には重大な病気が隠れていたり、早めに受診したりする方がよいケースもあります。

以下は、下痢が続くときに特に注意すべき症状です。当てはまる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。[1][2]

  • 1日10回以上の下痢:水分が奪われることによって、ふらつきや手足のしびれなどがみられる。
  • 発熱:37.5~38℃前後の熱。細菌やウイルス感染の可能性がある。39℃以上の高熱になることもある。
  • 1週間以上下痢が続く:脱水によって喉の渇きやふらつき、頭痛などがみられる。
  • 食事がとれない:低血糖による手足のふるえや脱力感などがみられる。
  • 便に血や膿が混じる:腹痛や発熱などが同時にみられるようであれば何らかの病気の可能性がある。

下痢が続くときは身体が脱水を起こしている可能性があります。脱水の症状としては、めまいや手足のしびれ、頭痛などがみられます。

喉の渇きを自覚しにくい高齢者や、自分から不調を訴えることができない子どもは、いつのまにか身体の中で脱水が進んでいることもあるでしょう。

高齢者や子どもは抵抗力が弱く、今は問題なさそうに見えても急に体調を崩すこともありうるため、早めの受診が必要です。

下痢を和らげる|普段からできるセルフケア

下痢を少しでも早く治すためには以下のことに気をつけましょう。

  • 胃の負担の少ない食べ物を選ぶ
  • 生活習慣や食生活に気をつける
  • ストレスをためないようにし、休息をとる
  • お腹を温める

ここでは日常生活の中でできる、下痢症状を和らげるセルフケアについて紹介します。

胃の負担の少ない食べ物を選ぶ

下痢が続くときは、以下のような胃腸にとって負担が少ない消化によいものをとるようにしましょう

  • おかゆ
  • にゅうめん
  • 常温〜ぬるめのお湯
  • バナナ
  • りんごのすりおろし

逆に冷たい飲み物やアイスクリームは腸を冷やし、食べ物を分解・吸収する働きが弱くなり下痢を悪化させる恐れもあります。下痢が続くときは、控えるようにしてください。[1]

生活習慣や食生活に気をつける

休日は寝てばかりで運動をしない、食事をとらないなどの生活習慣や、胃腸に負担をかける食生活が腸の働きに異常をきたします。

胃腸に負担のかかる食生活には、以下のような食べ物が関係します。

  • 果糖が含まれるジュース
  • コーヒーやエナジードリンクなどのカフェイン飲料
  • キシリトールが含まれるガムや飴などの食品の過剰摂取

普段、何気なく食べている嗜好品も下痢を助長させる可能性があります。普段の食生活で上記のような胃腸に負担のかかる食べ物をとりすぎていないか、この機会に見直してみましょう。 [2] [3]

ストレスをためないようにし、休息をとる

身体や心が疲れてストレスがたまると、胃腸の消化や吸収が弱くなります。消化や吸収の働きが悪くなると、未消化の食べ物が分解されずに腸に送られ、腸を刺激します。

また、水分も吸収されずに排泄されるため、便の中の水分量も多くなるでしょう。胃腸の働きを回復させるには、休息をとり、ストレスをためないことが大切です。

対策としては、意識的に睡眠時間をいつもより長めにとるようにする、趣味や好きなことをしてリラックスする時間を持つなども、胃腸の働きである消化や吸収の回復に必要です。

お腹を温める

温かい飲み物をとったり、腹巻やカイロを使ってお腹を温めたりすることで腸の動きが良くなりリラックス効果が期待できます。

普段はシャワー浴でも湯船に浸かってみるなど、お腹を温めるよう日常生活で意識してみましょう。 [1][2[3] 

外出先で下痢になったときの対処法

外出前は体調を整えたり、食べすぎや飲みすぎなどを控えたりして下痢で困らないよう予防することも大切です。ただ、予防をしていても、下痢はいつ起きるのか予測できません。

特に普段とは違う場所で過ごすときや、慣れていない場所では緊張感もあるため、腸に余計な負担がかかります。

いつ下痢がおきても慌てずに対処するための方法は以下を参考にしてください。

緊急用の下痢止め薬を携帯する

緊急時や外出先などでは対症療法としての止瀉薬(ししゃやく)が役立ってくれます。止瀉薬とは下痢を一時的に抑えるための薬です。

止瀉薬を使用することで病原菌を体内に留めてしまい、下痢の症状を悪化させる可能性もあるため、症状がつらいときだけ使用するようにしましょう。

下痢が一週間以上続くときは、止瀉薬は中断して早めに病院を受診をしましょう。 [1][3]

トイレの場所を把握しておく

商業施設やコンビニ、駅、公園の公衆トイレを事前に探し、場所を把握しておきましょう。トイレの場所を知っていると急な腹痛がおきても対応しやすく、不安も軽減されます。

また、大きなホールや会議室の場合は出入口から近い席に座ると、緊急時も慌てることなくトイレへ行けるでしょう。

緊急時こそ、落ち着いて対応できるような行動が大切です

下痢が症状としてでる病気

下痢が続くときに考えられる原因として、大きな病気が隠れている可能性もあります。

以下は、一週間ほど続く場合から4週間以上続く場合に考えられる主な病気と症状です。

当てはまるものがあるか参考にしてみてください。

一週間ほど下痢が続くときに考えられる主な病気

一週間ほど続く下痢の場合は、食べ物や薬の影響などが考えられます。

病名症状
感染性腸炎急な下痢や腹痛が生じる。発熱や粘血便を伴うこともある。
偽膜性腸炎水様で大量の下痢、発熱がみられる。腹痛、血便は軽度のことが多い。
急性出血性大腸炎トマトジュース様の血性下痢と腹痛がみられることがある。

感染性腸炎は最も多く、下痢になる前の一週間以内に食べた物を調べる、周りに同じような症状の人がいないかを確認することも原因菌の特定に必要です。

偽膜性腸炎や急性出血性腸炎は、風邪などで抗生物質を内服したことにより発症することがあります。

食べたものや抗生物質が原因ではないかと思っても自己判断せず、症状が続く場合は病院を受診しましょう。[1][2]

4週間以上下痢が続くときに考えられる主な病気

4週間以上続く下痢は病気が背景にあるケースが多いため、自己判断せずに早めに受診することが大切です。

病名症状
過敏性腸症候群腹痛や下痢、便秘、または下痢と便秘が交互に出現する
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)持続または反復する下痢、粘血便などがみられる。クローン病は腹痛、下痢、発熱などで、粘血便はみられないことが多い。
大腸がん初期には明らかな症状を示さないことが多いが、進行した場合は血便、便秘、下痢、腹痛などがみられる。

4週間以上続く慢性的な下痢の場合は、年齢を考慮します。若年層の場合は、ストレスや生活環境の変化などが原因による過敏性腸症状群や、原因が特定されていない炎症性腸疾患などが考えられます。

高齢者の場合は、大腸がんにも注意が必要でしょう。

受診の際は、便の回数や色、形、においなどがわかると便利です。日頃の便の様子がわかるように記録をしておくと診断に役立ちます。[1][2][3]

下痢が続くときにおこなう主な治療法

下痢が続くときは、基本的に小まめに水分補給をして、身体を安静にすることが大切です。

水分を口からとれないことにより脱水をおこしている場合は、医療機関で点滴を行うことがあります。細菌に感染している場合、殺菌・抑制のために抗菌薬や腸内の細菌を整えるための整腸剤を使用します。

下痢が長引いている場合には、過敏性腸症候群などの病気の可能性も考えられるため、便検査や内視鏡の検査が行われることもあるでしょう。そのうえで、原因に合わせた食事や生活習慣のアドバイス、薬物療法などをおこないます。[2]

下痢が続くときは〇〇クリニックにご相談を

下痢で悩まれている人は、周りに知られるのが恥ずかしいという気持ちや、昔からだから……とつい誰にも相談できずに、受診を我慢をしていませんか?
適切な治療を受けることで下痢の症状が緩和し、体調不良や不安感から解放されます。

日常生活が少しでも心地よく送れるようにお手伝いさせていただきますので、下痢でお悩みの方はどうぞお気軽にご相談ください。

参考

[1]一般社団法人 日本臨床内科医会.“下痢の正しい対処法”.(R7.7.5)

[2]日本消化管学会 “便通異常症診療ガイドライン2023慢性下痢症” (R7.7.5)

[3]過敏性腸症候群(IBS)ガイドライン

[4]2014年 メヂカルフレンド社 小倉啓宏 “新体系看護学全書成人看護学⑤消化器” P49,202,212,213 

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